第12章 テクニカルノート
テクニカルノートでは放送名人を使用する上で役に立つ個別の情報を紹介します。
12.1 音声ファイルの作り方
「放送名人」には音声ファイルを作る機能はありません。音声ファイルを作るには録音ソフトまたは音声を記録するためのICレコーダを利用して下さい。
録音ソフト
Windowsで使用できる録音ソフトはいろいろとありますが、最低の条件として、マイクの音声が録音できること、録音した音声をMP3またはM4a形式のファイルで保存できることです。
M4aはApple社で開発されたオーディオファイル形式ですがWindows Media Player 12以降で利用できるようになりました。Windows7上の放送名人でW4a形式のオーディオファイルを利用するにはWindows Media Player 12をインストールする必要があります。
Windows10にはこれらの条件を満たしたボイスレコーダーが標準でインストールされています。これを利用すれば簡単に音声ファイルが作成できます。詳細は第14章 ボイスレコーダーをご覧ください。
ICレコーダ
ボイスレコーダとしてはICレコーダーがお勧めです。ICレコーダーはデジタル録音を行い、これを内蔵した半導体メモリ内にファイルとして保存するものです。ICレコーダーは小型で長時間録音が可能で、音質もよく、価格も比較的低価格です。またテープレコーダーのように頭出しや巻き戻しの必要がなく操作が容易で、また編集機能を持つものもあります。
ICレコーダーの選び方
ICレコーダーを選ぶ時は次の項目に留意して下さい。
パソコンと接続できること。またはSDカードなどの外部メモリーが使えること。
MP3形式で録音できること。
ファイル分割ができること。作成した音声ファイルの前後の空白を除去したり、メッセージを分割できると使いやすくなります。
外部マイクが使えること。内部マイクだと操作音を拾いやすくなります。
録音時の入力レベルは自動調整機能(ALC)があると便利です。
音声ファイルの作り方
音声ファイルは放送する番組のメッセージごとに一つのファイルにして下さい。ファイルには分かりやすい名前を付けてください。ICレコーダー上で名前が変更できない場合は、パソコンに取込んだ後で名前を変更します。
12.2 BGMファイルの作り方
「放送名人」にはBGMファイルを作る機能はありません。BGMファイルはネットからダウンロードするか、CDをMP3ファイルに変換します。
こではWindows Media Player 12を使用して、オーディオ CD からMP3ファイルを作る方法を説明します。
Windows Media Playerの起動
スタートメニューからWindows Media Player12を起動します。Windows Media PlayerはWindowsアクセサリの中にあります。
音楽CDをCD/DVDドライブに挿入すると、挿入した音楽CDの楽曲リストが表示されます。
楽曲情報
各曲の楽曲情報はインターネットより自動で取得されます。
楽曲情報が「アルバム情報なし」と表示される場合は自動取得ができていないのて、Windows Media Playerの「読み込みの設定」の「その他のオプション」をクリックし、「プライバシー」タブで「インターネットからメディア情報を取得する」にチェックを入れて「適用」ボタンを押して下さい。
保存先
MP3ファイルの保存先を設定します。
その他のオプション画面の「音楽の取り込み」タブで「取り込んだ音楽を保存する場所」にある「変更」ボタンをクリックし保存先のフォルダを選択します。デフォルトでは、PCの「ミュージック」フォルダが保存先となっています。
保存形式
ファイルの保存形式はMP3にします。
Windows Media Playerの「取り込みの設定」の「形式」をクリックし保存形式としてMP3を選んで下さい。
音質
Windows Media Playerの「取り込みの設定」の「音質」をクリックし128~320Kbpsの範囲で音質を選んで下さい。
CD取込み
楽曲全てまたは個々を選択しチェックを入れ、「CDの取り込み」ボタンをクリックし取り込みを開始します。
取り込んだmp3データは、保存先で指定したフォルダに保存されます。
12.3 著作権とフリーBGM
BGMの著作権
音楽には作られた方の権利があります。これには、作詞者・作曲者の権利(著作権)と、演奏者・エンジニア・レコード会社らの権利(著作隣接権)があります。音楽をBGMとして使用する場合には、著作権および著作隣接権の2つの権利を侵害しないように注意する必要があります。一般的にCDやダウンロードした音楽などを、店舗などの施設でをBGMとして利用される場合は、著作権使用料の支払い義務が発生します。 詳細は日本音楽著作権協会のサイトをご覧下さい。
無料で使えるBGM
上記のように一般的にはBGMに使用する楽曲には著作権や著作隣接権がありますが、例外として下記のような場合はこれらに触れずに無料でBGMに使用できます。
- (1).著作者が著作権を放棄しているもので、演奏者等が利用許諾しているもの。
- (2).著作者は著作権は保持しながら利用許諾をしているもで、演奏者等が利用許諾しているもの。
- (3).著作権の有効期限がきれたもので、演奏者等が利用許諾しているもの。古い楽曲を新しく演奏したものやMIDIにしたものを利用許諾している場合がこれにあたります。
- (4).著作権の有効期限がきれたもので、演奏者の権利(著作隣接権)の有効期限も切れているもの。
古いレコードを音源としたものがこれにあたります。
日本では著作権は権利者の死後50年で切れます。また著作隣接権は発行後50年で切れます。従って、作詞者・作曲者が50年より前に亡くなっており、なおかつ演奏・発売されたものが50年より前のものであるならば、それは誰もが自由に扱える公共の物になります。詳しくは社団法人著作権情報センターのサイトををご覧下さい。
一般の購入したCDやダウンロードした楽曲を店舗でのBGMとして利用する場合などには著作権使用料も支払う必要がありますが、上記のような場合は著作権使用料は不要です。ただしこれらの楽曲の入手が全て無料というわけではありません。CDとして販売されているものや有料でダウンロード販売している場合もありますし、無料で入手できる場合もあります。
有料で購入できるサイト
インターネットで「著作権フリーBGM」で検索すると多くのサイトが見つかります。これらのサイトでは著作権使用料の不要なBGMがCDやダウンロード形式で販売されています。これらの楽曲を購入するとBGMとして著作権使用料を支払うことなく使用することができます。
Audiostock
Audiostockは、株式会社クレオフーガが運営する、ロイヤリティフリー形式でBGMや効果音などのライセンスを販売するサービスです。
https://audiostock.jp/
無料で入手できるサイト
インターネット上では著作権使用料の不要なBGMとして利用できる楽曲が無料で入手できるサイトも多くあります。「フリーBGM」「パブリックドメイン 音楽」などをキーワードに検索して下さい。なおサイトによっては商用利用に制限を設けている場合もありますので注意して下さい。以下のサイトの曲は自由に利用できます。
フリーBGM Music with myuu
著作権切れの楽曲やオリジナル曲をみゅうーさんがMIDI、WAV、MP3形式で作成したものです。商用利用が許可されています。
放送名人のサンプルデータにはこのサイトの楽曲を利用させて頂いています。
http://www.ne.jp/asahi/music/myuu/
A Jazz Anthology
著作権保護期間が終了したオールドジャズをを公開しています。基本フォーマットは.ram ですが Listen & Download MP3 でMP3形式のダウンロードができます。
http://www.jazz-on-line.com/
12.4 スピーカの接続
パソコンよりの音声やBGMの出力は直接またはアンプを通して外部スピーカーに接続します。
パソコンと外部スピーカを接続する場合は3.5mm ステレオミニプラグをスピーカー端子(黄緑色)に接続します。HeadPhone端子にスピーカを接続すると多少の音はでますが、充分な音量は得られません。
パソコンとアンプを接続する場合は3.5mm ステレオミニプラグをパソコンのスピーカー端子(黄緑色)に接続し、他方をアンプのLINE INに適合するプラグで接続して下さい。
スピーカー端子が無い場合は12.6 オーディオデバイスの追加を行い、スピーカー端子を追加して下さい。
12.5 マイクの接続
マイクには3.5mmステレオミニプラグで接続するマイクと、USBで接続するマイクがあります。どちらのタイプのマイクでも構いません。
マイクの3.5mm ステレオミニプラグの場合はマイク端子(ピンク色)に接続します。USBマイクの場合はUSBポートに接続します。
マイク端子が無い場合は12.6 オーディオデバイスの追加を行い、マイク端子を追加することもできます。
12.6 オーディオデバイスの追加
パソコンの基本性能だけでは、放送音質がよくない場合は、パソコンにオーディオデバイスを追加すると音質を改善することができます。
オーディオデバイスにはサウンドカードとUSBオーディオデバイスの2種類があります。サウンドカードはデスクトップパソコン内に装着するもので、PCIスロットに空きがあれば利用できます。USBオーディオデバイスはUSBポートに差し込むものでデスクトップパソコンでもノートパソコンでも利用可能です。価格的にも安価なものですので音質を向上したい場合には検討して下さい。
写真はノートパソコンにUSBオーディオデバイスを装着したところです。このようにとてもコンパクトなものもあります。