サークル会計

サークル会計はサークルや自治会などの会計処理を簡単にします。

第0章 5分で分かる会計処理

サークル会計での会計処理方法について説明します。

科目

科目とは会計において、取引を区分するためのものです。
たとえば鉛筆1本を100円で買った場合を考えます。
支出いは現金なのか預金なのか、これを区分するために科目を使います。現金や預金を別々の科目とすれば支出元の金を管理することができます。また預金が複数ある場合は各々を別の科目とすれば別々に管理することができます。
一方鉛筆は何のために買ったのでしょうか。事務で使用するためならば事務用品費、贈答用にかったのならば接待交際費などに科目を使って区分することができます。
科目は必要に応じて自由に作ることができます。またサークル会計では科目に科目コードをつけて管理するようにしています。

科目区分

サークル会計で使用する科目は4つの区分され、科目コードの範囲が決められています。

区分 説明 コードの範囲 科目例
資産科目 現金や、現金に換えることができる財産 1001~1999 現金、普通預金、未収入金、立替金
負債科目 未払金などのマイナスの財産 2001~2999 未払金
収入科目 主に資産が増えた原因となる項目 3001~3999 前期繰越金、会費、補助金、雑収入
支出科目 主に資産が減った原因となる項目 4001~4999 備品、事務用品費、会議費、謝礼金、夏祭り

簿記

会計処理で取引の記帳を行うことを簿記といいます。
簿記には単式簿記と複式簿記の2つの方法があります。
サークル会計で取引を記帳する方法は複式簿記にる方法を用いています。

単式簿記

単式簿記は金銭出納帳や預金出納帳を用いて出入りを記載する方法です。
例えば現金で鉛筆1本を100円で買った場合は現金出納帳に次の様に記載します。

日付 収支 科目 金額 摘要
2020/03/01 出金 事務用品費 100円 鉛筆1本

単式簿記は記帳方法は分かり易いのですが、預金から現金を引き出した場合には、金銭出納帳と預金出納帳の両方に記帳しなければなりません。
また、経費を集計するには金銭出納帳と預金出納帳の両方を集計する必要があります。

複式簿記

複式簿記は1つの取引を1つの記帳で完結する方法です。
そのために通常は仕訳帳に記帳します。当システムでは取引記帳画面が仕訳帳に該当します。
たとえば現金で鉛筆1本を100円で買った場合は仕訳帳に次の様に記載します。

日付 借方科目 貸方科目 金額 摘要
2020/03/01 事務用品費 現金 100円 鉛筆1本

このように支出の理由となる科目(事務用品費)と支出に使用した科目(現金)を同時に記載します。
1つの取引に2つの科目を記載するのが複式簿記の特徴です。

借方科目と貸方科目

複式簿記では1つの取引に2つの科目を記載しますが、これらを記載する順に借方科目および貸方科目といいます。
借方科目および貸方科目に記載する科目は次の様な規則になります。

借方科目

次の場合に該当する科目は借方科目となります。
  • 資産が増えた場合の資産科目。例えば預金から現金を引き出した場合の現金
  • 負債が減った場合の負債科目。例えば未払金を現金で払った場合の未払金
  • 支出をした場合の支出科目。例えば現金で鉛筆を買った場合の事務用品費

貸方科目

次の場合に該当する科目は貸方科目となります。
  • 資産が減った場合の資産科目。例えば預金から現金を引き出した場合の預金
  • 負債が増えた場合の負債科目。例えばパソコンを掛けで買った場合の未払金
  • 収入があった場合の収入科目。例えば現金で会費を貰った場合の会費

仕訳例

借方科目および貸方科目に科目を割当てることを仕訳るといいますが、上記の例は次の様に仕訳られます。

事例 日付 借方科目 貸方科目 金額 摘要
①預金から現金を10,000円引き出した 2020/03/01 現金 預金 10,000円
②電気代として未払金を50,000円現金で払った 2020/03/01 未払金 現金 50,000円 電気代
③現金で鉛筆1本を100円で買った 2020/03/01 事務用品費 現金 100円 鉛筆1本
④パソコンを掛けで50,000円買った 2020/03/01 備品 未払金 50,000円 パソコン
⑤小川さんから現金で会費5,000円を貰った 2020/03/01 現金 会費 5,000円 小川さん

貸方金額と借方金額

借方金額とは科目が借方に記されている場合の金額のことです。また貸方金額とは科目が借方に記されている場合の金額のことです
上記の事例では、現金の借方金額は①と⑤の金額です。また貸方金額は②と③の金額です。

科目残高

科目残高は科目の指定日の残高のことですが、資産・負債科目と収入・支出科目では意味するものが異なります。
資産や負債科目の場合、例えば3月31日の現金残高といえば、3月31日末の現金の所有額です。
このように資産や負債科目は、日付が指定されれば残高を確定することができます。
一方、収入や支出科目の場合は、例えば3月31日の事務消耗品費の残高といえば、期首から3月31日末の事務消耗品の合計額です。
このように収入や支出科目は、期間が指定されなければ残高を確定することができません。
資産や負債科目は期首に残高を持ちますが、収入や支出科目は期首に残高を持ちません。

(例)次のような会計期間が1年で3月度の科目集計があるとします。

会計期間 2020/1/1~2020/12/31 2020/3月度集計
科目 月首残高 借方金額 貸方金額 月末残高
現金 100,000 200,000 50,000 25,000
事務用品費 150,000 20,000 0 170,000

この場合、現金のような資産や負債科目では月首残高は2月末日の残高を表わし、月末残高は3月末日の残高を表します。
一方、事務用品費のような収入や支出科目で月首残高とは1月1日~2月末日までの累計金額を表し、月末残高とは1月1日~3月末日までの累計額を表します

月末残高の計算方法

取引記帳では資産および支出科目の金額が増加する場合は借方に記入します。また負債および収入科目の金額が増加する場合は貸方に記入します。
従って資産および支出科目と負債および収入科目では残高の計算方法が異なります。

  • 資産および支出科目の場合は 期末残高=期首残高+借方金額-貸方金額
  • 負債および収入科目の場合は 期末残高=期首残高-借方金額+貸方金額

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